リアルパネルの構造
リアルパネルは、原木を0.2mmにスライスした突板と厚さ6mmの火山性ガラス質複層板からなります。突板一枚一枚は技術者の手によって天然木本来の風合いを引き出しながら加工していきます。しっかりとオーダーをお聞きしてからの受注生産品です。(国土交通大臣認定 不燃材料 NM-1265)中でも複雑な工程により使いこまれた経年の表情を見せるオールド&ビンテージシリーズは、アパレルやカフェの店舗など常に差別化されたアイデンティティのある空間デザインを使命とした、建築家の方々の作品に多く見ることができます。
リアルパネルの製造工程
国内外問わず、良質な原木が出たと聞けば現地まで足を運びます。トレーサビリティの明確な素材は突板にした時の相の現れ方や表面のみずみずしさが大きく違います。原木を数十年見切ってきた職人が鋸を入れ製材になった後に煮沸し、平衡を厳しく調整し、スライサーに掛けます。スライスされた突板は丁寧に重ね乾燥します。乾燥の程度と色の入り方、場所の違いを見究めながら加工を進め、最終的に深みのある突板になります。最終工程で火山性ガラス質複層板や合板に貼り付け、バリを取り、数人の厳しい目で検品を行います。
天然木の個性を職人の技術がコントロールします。
一枚一枚が個性を持った天然木の突板にはそれぞれに歪みや傷みがあります。組み合わせて精度感のあるパターンにするためには人の手の繊細さが必要で、何年も作業に携わってきた職人が全体のバランスを見ながら貼り合わせ、プレスに掛け、ヤスリを掛けて完成です。ヘリンボーンは平面を立体的に見せようとする「洋」の発想で、選ぶ突板の濃度や配置によっては重厚な建造物が現れます。一方90度に組むパターンは濃淡を隣に合わせることで日本的な文様が浮かびます。またラフにジョイントさせた、古材感を強調するシリーズもあります。
現場オリエンテッドな自由な規格。
建築家の方々のオーダーに応えるという中には、勿論デザインや意匠のイメージを再現する事が最も重要ですが、次には現場での取り扱い易さや作業環境に合わせた納品の仕方、タイミング、またロスを抑える工程を厭わないということも重要です。本来壁材は、3×6や4×8などが一般的な納品規格でしたが、様々な空間、 デザイン、現場を扱う建築家とのコラボレーションの中で、私たちは納品規格を多様化させてきました。短冊による納品が可能で、規格のバリエーションはこれまで建築家の方々と取り組んで来た歴史です。